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 白い風船  /2008年01月15日(火)
最近湿度が低いため、富士山の見える確立が高く、異常気象でもあるとニュースで伝えていました。

この時期になると、都内でも富士山を見ることが出来ます。

小学生の頃は、自宅のベランダからもたまに見ることが出来ました。

晴れて、風の強いときなど、名前は分らないけど雪が薄っすらとかぶった山脈が恐ろしいくらい良く見えることがあります。

その山々は目と鼻の先に見え、数分で着くのではと歩き続けてもいっこうに近づかない・・・・

その言葉で今でも思い出すのは、小学6年生の時、国語教科書にあった著者 遠藤周作の"白い風船"です。

教科書に出てくる作品というのは、漢字が多く難しい文面が並び中々なじめないのが一般的ですが、勉強は決して好きでなかった私でも、この作品だけは何か推理小説のようで好きでした。

そして、授業が次々と進むのが寂しく、いつまでもこのページにとどまっていたいと・・・・

小説家 "遠藤周作" の名前はこの頃(1972年)、ネスカフェゴールドブレンドのCMで 違いのわかる男 で出演していて、学校の図書館でも遠藤周作・北杜夫のようなユーモアのあるエッセイや小説を読んだ記憶があります。

遠藤周作という小説家・白い風船というタイトル・冊子にあるイラスト(挿絵)が何か冒険心を煽り立てるようでした。

時期的にも今と同じ、1・2月の寒い時に勉強していたのではないでしょうか!


<以下原文のまま抜粋>
白い風船

おじさんにも、きみたちと同じくらいのひとりむすこがいる。
名まえをそのまま使いたいのだが、本人がいやだと言うから、凡太(ぼんた)としておこう。

------------途中省略------------

かっているクウという犬を連れて家を出た。

クウは近所の牛乳屋からもらった雑種の犬だが、ねては食べ、食べてはねるだけしか能がないので、凡太の父親が、「よく食う」からクウにしよう、と名づけたのである。
このお人よしのクウは、いつものように、凡太のあとをどこまでもついてきた。

------------途中省略------------

凡太は見たのである。
向こうのおかの中腹に白い建物があって、それに続く畑に、五、六人の忍者が歩いているのを見たのである。

向こうのおかの中腹に白い建物があって、それに続く畑に、五、六人の忍者が歩いているのを見たのである。

確かにそれは、テレビに出てくる忍者そのままのかっこうをしていた。
黒いふく面に黒い装ぞくを着て、刀こそこしには差していなかったが、一列になって歩いていた。

------------途中省略------------

凡太は、またしても見たのである。

くらげのような形をした円盤が舞い降りつつあるのを。

冬の夕ぐれ、だあれもいない、このまっ茶色のおかに、くるくると砂ぼこりが巻き上がり、その砂ぼこりの中に、おどろくべし、くらげのような形をした円盤が舞い降りつつあるのを。

------------途中省略------------

冬の夕方、まっかに燃える山を見ながら、凡太は、むかしの自分は不思議だったなあとつくづく思う。
大人になるということは、不思議なことをもう見られなくなるのかと考える。

そんなある日曜日、空がよく晴れている午前、かれは、久しぶりに望遠鏡を出してのぞいてみた。
あの円盤を見たおかの方角に目を向けると、丸い白いものがゆっくり空に飛んでいくのが、とつぜん見えてきた。

子どもが手放した風船が、ふわふわと空に飛んでいってるだけだった。

それは白い風船にすぎなかった。
おかに建った家のどこかで、子どもが手放した風船が、ふわふわと空に飛んでいってるだけだった。

(作 遠藤周作)


新聞掲載版 白い風船blog






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2008/01/15(Tue)14:38
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